| 治療費計算のほか、がん治療に関する情報を集めました。 |
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乳がんについては抗がん剤を利用した治療方法の研究が活発に進められています。乳がんの治療に使われる抗がん剤の組み合わせは非常に多くあります。ここでは、代表的なもののみ紹介します。
また、抗がん剤の種類が増えただけでなく、抗がん剤の使い方にも工夫が行われています。今までは、手術の後の再発予防や拡がったがん病変を治療する目的で抗がん剤を使っていました。最近は、手術前に抗がん剤でがん病変を小さくしておき、その後手術、さらに手術前に使わなかった種類の抗がん剤で再発を予防するといった工夫も日進月歩で進んでいます。 乳がんの治療費計算で紹介する抗がん剤は次のとおりです。 |
| 一般的名称 |
略号 |
販売名(製薬会社の商品ブランド名) |
| エピルビシン |
EPI |
ファルモルビシン、エピルビシン |
| シクロフォスファミド |
CPA |
エンドキサン |
| ドキソルビシン |
DXR |
ドキシル、アドリアシン |
| フルオロウラシル |
5-FU |
5-FU、ベントン、ルナポン |
| パクリタキセル |
PTX |
タキソール、パクリタキセル |
| カペシタビン |
CAP |
ゼローダ |
| トラスツズマブ |
- |
ハーセプチン |
| ラパチニブ |
- |
タイケルブ |
| タモキシフェン |
TAM |
ノルバデックス、タスオミン、フェノルルン他 |
| アナストロゾール |
ANZ |
アリミデックス |
| レトロゾール |
- |
フェマーラ |
| リュープロレリン |
LEU |
リュープリン |
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(Ⅰ)手術後の再発予防 |
(1)抗がん剤(抗体医薬含む)
抗がん剤治療のうち、以下のEC、AC、FECは同時に使われませんが、そのいずれかとパクリタキセル、トラスツズマブはいっしょに使われることがあります。従って、2種類または3種類の抗がん剤のレジメンがいっしょに使われることがあります。具体的には、患者さんの状態に合わせて、EC+パクリタキセルという組み合わせや、AC+パクリタキセル+トラスツズマブという組み合わせで治療が行われます。 |
| エピルビシン+シクロフォスファミド("EC") |
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| 薬剤名 |
1コース(3週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
| エピルビシン |
○ |
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73,950円 |
| シクロフォスファミド |
○ |
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| 解説 |
エピルビシンとシクロフォスファミドを初日に投与され、その後は薬を休みます。再発予防のため4コースの治療を行い、4コースの治療費合計は295,800円になります。 |
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| ドキソルビシン+シクロフォスファミド("AC") |
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| 薬剤名 |
1コース(3週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
| ドキソルビシン |
○ |
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28,340円 |
| シクロフォスファミド |
○ |
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| 解説 |
ドキソルビシンとシクロフォスファミドを初日に投与され、その後は薬を休みます。再発予防のため4コースの治療を行い、4コースの治療費合計は113,360円になります。 |
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| エピルビシン+シクロフォスファミド+フルオロウラシル("FEC") |
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| 薬剤名 |
1コース(3週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
| エピルビシン |
○ |
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77,660円 |
| シクロフォスファミド |
○ |
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| フルオロウラシル |
○ |
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| 解説 |
エピルビシン、シクロフォスファミド、さらにフルオロウラシルを初日に投与され、その後は薬を休みます。再発予防のため6コースの治療を行い、6コースの治療費合計は465,960円になります。 |
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| パクリタキセル("Weekly PAC ") |
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| 薬剤名 |
1コース(1週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 1日目 |
2日目 |
3日目 |
4日目 |
5日目 |
6日目 |
7日目 |
| パクリタキセル |
○ |
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46,910円 |
| 解説 |
パクリタキセルを初日に投与され、その後は薬を休みます。再発予防のため12コースの治療を行い、12コースの治療費合計は562,920円になります。 |
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トラスツズマブ
患者さんのがん細胞にHER2(「ハーツー」と呼ばれます)というタンパクがあるかどうか検査し、ある場合にのみ使われます。乳がん患者の方の20−30%が対象になるといわれています。 |
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| 薬剤名 |
1コース(1週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| トラスツズマブ |
第1週 |
80,100円 |
| 第2週以降 |
47,980円 |
| 解説 |
週に1回投与されます。第1週は第2週以降に比較して薬の使用量が多く、治療費が高めになります。再発予防のた
め1年間(52コース)の治療を行い、1年分の治療費合計は2,527,080円になります。 |
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(2)ホルモン剤
ホルモン剤には経口剤と注射剤があります。すべての患者さんに使われるわけではなく、事前の検査を行ってその薬に「感受性」のある方だけに使用されます。使い方として、下記のうち経口剤と注射剤であるリュープロレリンはいっしょに使われることがあります。また、5年間タモキシフェンを飲んだ後で、他の経口ホルモン剤を5年間飲むという治療も行われています。 |
| (経口ホルモン剤) |
| タモキシフェン |
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| 薬剤名 |
1ヶ月間の治療費 |
治療費合計 |
| タモキシフェン |
- |
11,100円 |
| 解説 |
1日1回服用します。再発防止のため5年間服用し、5年間の治療費合計は666,000円になります。 |
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| アナストロゾール |
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| 薬剤名 |
1ヶ月間の治療費 |
治療費合計 |
| アナストロゾール |
- |
17,100円 |
| 解説 |
1日1回服用します。再発防止のため5年間服用し、5年間の治療費合計は1,026,000円になります。 |
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| レトロゾール |
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| 薬剤名 |
1ヶ月間の治療費 |
治療費合計 |
| レトロゾール |
- |
19,800円 |
| 解説 |
1日1回服用します。再発防止のため5年間服用し、5年間の治療費合計は1,188,000円になります。 |
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| (注射用ホルモン剤) |
| リュープロレリン |
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| 薬剤名 |
1コース(12週間)の治療費 |
治療費合計 |
| リュープロレリン |
- |
81,740円 |
| 解説 |
12週間に1回投与されます。再発防止のため2年間治療し、2年間(8コース)の治療費合計は653,920円になります。 |
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(Ⅱ)再発、転移等により切除できない乳がんの治療 |
再発、転移等の場合、再発予防で使わなかった抗がん剤のレジメンの中から治療に使うものを選びます。効果がある限り使い続けます。効果が薄れた時には、別のレジメンを選択して治療を続けます。 |
| エピルビシン+シクロフォスファミド("EC") |
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| 薬剤名 |
1コース(3週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
| エピルビシン |
○ |
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73,950円 |
| シクロフォスファミド |
○ |
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| 解説 |
エピルビシンとシクロフォスファミドを初日に投与され、その後は薬を休みます。 |
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| ドキソルビシン+シクロフォスファミド("AC") |
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| 薬剤名 |
1コース(3週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
| ドキソルビシン |
○ |
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28,340円 |
| シクロフォスファミド |
○ |
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| 解説 |
ドキソルビシンとシクロフォスファミドを初日に投与され、その後は薬を休みます。 |
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| エピルビシン+シクロフォスファミド+フルオロウラシル("FEC") |
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| 薬剤名 |
1コース(3週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
| エピルビシン |
○ |
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77,660円 |
| シクロフォスファミド |
○ |
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| フルオロウラシル |
○ |
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| 解説 |
エピルビシン、シクロフォスファミド、さらにフルオロウラシルを初日に投与され、その後は薬を休みます。 |
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| パクリタキセル("weekly PAC") |
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| 薬剤名 |
1コース(1週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 1日目 |
2日目 |
3日目 |
4日目 |
5日目 |
6日目 |
7日目 |
| パクリタキセル |
○ |
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46,910円 |
| 解説 |
パクリタキセルを初日に投与され、その後は薬を休みます。 |
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・トラスツズマブ
患者さんのがん細胞にHER2(ハーツーと呼ばれます)というタンパクがあるかどうか検査し、多くある場合にのみ使われます。患者さんのうち20〜30%の方にHER2が多いといわれています。
2011年4月、公知申請に係る事前評価により、新しい使用方法について公的保険が使えるようになりました。具体的には下記のとおり、従来の方法(第1法)に加え、保険が使える新しい方法(第2法)を選択できるようになりました。第1法の場合、第1回目の治療費として3週間で18万円弱必要であったところ、第2法のそれは16万円程度になり、患者さんによっては第2法の方が割安になる場合があります。
ただ、治療法の選択は金銭的な面以外に副作用等も考慮しながら検討・推奨されるはずです。新しい治療法の採用については主治医とよくご相談ください。 |
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(第1法)
| 薬剤名 |
1コース(1週間)の治療スケジュール |
治療費合計 |
| トラスツズマブ |
初回 |
80,100円 |
| 2回目以降 |
47,980円 |
| 解説 |
週に1回投与されます。初回は2回目以降に比較して薬の使用量が多く、治療費が高めになります。 |
(第2法)
| 薬剤名 |
1コース(3週間)の治療スケジュール |
治療費合計 |
| トラスツズマブ |
初回 |
160,200円 |
| 2回目以降 |
136,210円 |
| 解説 |
3週間に1回、初日に投与されます。初回は2回目以降に比較して薬の使用量が多く、治療費が高めになります。 |
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ラパチニブ+カペシタビン
HER2陽性で、トラスツズマブの治療後、その効果がなくなった患者さんを対象とする併用療法です。いずれも経口剤です。 |
| 薬剤名 |
1コース(3週間)の治療スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
| ラパチニブ |
○ |
○ |
○ |
219,240円 |
| カペシタビン |
○ |
○ |
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| 解説 |
ラパチニブは毎日1回服用します。カペシタビンは2週間毎日朝晩2回服用した後、1週間服用を休みます。 |
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| パクリタキセル+ベバシズマブ("PAC+BV") |
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| 薬剤名 |
1コース(4週間)の服用スケジュール |
治療費合計 |
| 第1週 |
第2週 |
第3週 |
第4週 |
| パクリタキセル |
○ |
○ |
○ |
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721,070円 |
| ベバシズマブ |
○ |
|
○ |
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| 解説 |
パクリタキセルを初日、8日目、および15日目に、ベバシズマブ(抗体医薬)を初日と15日目に投与され、その後は薬を休みます。 |
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なお、上記に加え、平成20年2月に米国でHER2タンパクのない乳がんの患者さんを対象に、ベバシズマブ(販売名アバスチン)の使用が承認されました。治療費は1コース4週間につき約74万円で、平成20年5月末現在、公的保険は使えません。治療効果については下記を参照ください。
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| 臨床試験(フェーズV)の結果 |
| 投薬開始後の生存期間中央値(月) |
がん細胞の増殖が抑えられた期間(月) |
| 対象薬を加えた群 |
対象薬を含まない群 |
対象薬を加えた群 |
対象薬を含まない群 |
| ベバシズマブ+パクリタキセル |
パクリタキセル |
ベバシズマブ+パクリタキセル |
パクリタキセル |
| 26.7 |
25.2 |
11.8 |
5.9 |
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| ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(2007年12月27日付) 他 参照 |
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