2009年、子宮頸がん予防ワクチンがわが国で初めて正式に承認・発売されました。対象製品は、グラクソ・スミスクライン・ビーチャム社(”GSK”)のサーバリックス(Cervarix)です。2007年にオーストラリアで承認されたのを皮切りに、既に世界100カ国ほどで承認済みで、日本での承認が待たれていました。サーバリックス以外に、もう1つ別の子宮頸がんワクチン(メルク社のガーダジル(Gardasil)も既に日本で申請済みです。同ワクチンについても、もうしばらくすると承認されるはずです。
さて、以下、まず子宮がんについてご説明し、その後子宮頸がんワクチンについてご説明します。
まず、子宮がんは、大きく子宮体がんと子宮頚がんの2つに分類されます。前者は女性ホルモンとの関係が深く、閉経後の50−60歳に発生が多くなる一方、後者はウィルス感染を原因とするために若い世代であってもがんが発生します。発症数からみると(2002年国立がんセンター罹患率統計より)、子宮体がんが年間7000人弱、子宮頸がんが9000人弱となっています。がん予防ワクチンが有効なのは後者のみで、ここでは子宮頸がんについて詳しくみます。
子宮頸がんの発症は、主として性行為によりヒトパピローマウィルスというウィルスが子宮頚部(子宮の入り口の部分)に感染することが原因といわれています。子宮頚部がヒトパピローマウィルスに長期間感染したままになると、感染部位でがんになる前の細胞異常(「異形成」といいます)が起こり、最終的にがん化するというプロセスをたどります。問題なのは、ヒトパピローマウィルスが広く世の中に存在する、ありふたウィルスであることです。ヒトパピローマウィルスだけで100種類以上の型のウィルスが知られており、女性の殆どの方が一生に一度は感染するといわれているウィルスです。勿論、ヒトパピローマウィルスに感染したすべの方にがん化のプロセスが進むわけではありませんが、ある型のヒトパピローマウィルス(16型や18型等:ハイリスク型という)はタチが悪く、この型に感染するとがん化しやすいことがわかっています。ハイリスク型に長期感染すると数%の割合で細胞の異形成が起こり、さらに異形成が起こると高い確率でがん化する可能性があります。
今回、日本での承認が期待されるサーバリックスについては、ハイリスク型のヒトパピローマウィルスを対象に、1)ウィルスに未感染の方の感染を防ぐこと、2)既にウィルスに感染し、子宮頚部の一部細胞の異形成がみられる方のがん化を予防すること、が報告*されています。
- *注)サーバリックス接種後のHPV16型・18型への100%感染予防効果持続期間: 6.4年 (GSK社ニュースリリース2008.11.13)
- HPV16型・18型に感染し、前がん病変(CIN2+)となっている患者のがん化予防効果: 98% (GSK社ニュースリリース(2009.7.10)
サーバリックスの場合、最初にワクチンを接種、その1ヵ月後と6ヵ月後の計3回の接種が推奨されています。対象は10歳以上の女性です。
治療費については、保険の適用がありませんので医療機関により異なります。3回分合計で5万円前後が目安となります。医療機関の手技による予防効果の違いはありませんので、価格を事前に電話で確認して、安く接種できる医療機関を選ぶのが賢明です。
最後に、子宮頸がんについて、詳しい情報をお知りになりたい方はリンク先のほか次のサイトをご参照ください。
オレンジクローバー
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